YAMAHA TZ250 1985 #90 Tadahiko Taira

 平忠彦選手が'85年に全日本250に出場したときのTZ250を製作します。
 ベースキットは、'86YZR250です。
 精密に再現したいマシンではなく、サクサク作りたいので「雰囲気が似れば」という作り方です。

・フレーム
 「見えるところを中心に」と言うことで、ピボットの上のシートレールのあたりだけ改造しました。
 (画像左が'86YZR、右が'85TZ)

 スイングアームは、サブアームの上面が平に見えるように加工しました。
 右側のメインアームは、への字のようになっていたので、下面を平にしました。
 上面を削らなくてはいけないですが、加工が面倒なのでこのままとします。


・カウル
 ナックルガードは、0W70の流用です。
 本当は、形状が少し違いますが、あまりにすんなりと付いたので、これで良しとしました。
 センターカウル中央のダクト部に穴を開けます。
 私のキットのカウルは厚いので、へこみの部分は裏打ちしないで掘っただけです。
 実際は、もう少し深いのですが、裏打ちが面倒なのでここまでとしました。

 '86YZRにあったカウル前方のダクトは削り落として、へこみ部分をパテで埋めました。
 カウル後方下側(つま先のあたり)の形状が違うので、プラバンで足して形を整えました。
 レジンとプラの接着しにくいです。後でポロッととれないように虫ピンを入れて補強しています。


・タンク
 全体的に角ばった感じです。ニーグリップ部分のエグレの形状も違います。
 パテを盛って適当に削ります。
 キットの原型製作と違って、自分だけ満足できれば良いのでサクサク作れて楽しいです。


・シート
 シート後端の面の形状は、86YZFに近いです。この面をプラバンで作成して貼りつけます。
 このようにプラバンで形を出しておくと、これを基準にできるので全体のフォルムを出しやすいです。

 側面から見た形状は全然違いますが、前方は86YZRのほうが大きいため削るだけなので楽です。
 シート中央下側のとがった部分のあたりは、TZのほうが長いためプラバンで延長させます。
 とがった部分が独特の形状なので、プラバンで形を出して貼りつけます。
 ポリパテを盛ったあと、プラバンをガイドに削れば思ったとおりの形状になるというわけです。
 ここでもプラ版とレジンの間に虫ピンを入れて補強しています。


・エンジン
 TZはパラツインなので、86YZRのVツインエンジンはまったく使えません。
 RZのエンジンを流用しようと思ったのですが、そんな勿体ないことはできないので、
 ここは割り切って、余っていたYZR500のエンジンで適当に作ることにしました。
 適当過ぎてエンジンになってません。単にチャンバーを固定するためのパーツですね。
 チャンバーも流用できる物がなかったので、アルミ棒を曲げてフルスクラッチしました。


・ホイール
 経年変化のせいか、タイヤとホイールの径が合っていなかったのでホイール径を大きくしました。
 85TZにするための改造ではないですが、折角なのでホイールの拡張方法を記載します。
 プラバンを巻くだけですが、レジンとプラは接着しにくいので、私はいつもプラバンを2枚巻いています。
 まず、画像中央のようにプラバンに巻き癖を付けます。画像右のように、放置しても丸まってます。

 1枚目のプラバンに接着剤を付けてホイールに巻きつけます。
 レジンに接着できないですが、接着剤が固まるまでの間、密着はします。
 1枚目の繋ぎ目とずらして2枚目を貼ることで、しっかりと固定できます。
 これで、加工中にプラバンがペロッと剥がれたりするようなことはなくなります。
 画像中央のように耳有りのホイールも簡単にできます。今回は、画像右の耳無しが完成品です。


・パーツ構成
 フェンダーの形状が違うので、ジャンクパーツを流用して加工しました。
 パーツがそろいました。こうして見るとキット化したくなりますが、
 形はいい加減だし、欲しい人も少ないだろうから複製はとりません。


・仮組
 思ったより、良い感じにできました。


・完成
 塗装が下手で何もお伝えすることはないので、いきなり完成です。
 平さんの乗った2台の250、どちらもヤマハらしい良いマシンです。